我が家の長男は重度の知的障害と判定され、自閉スペクトラム症の診断を受けて特別支援校に通う小学校6年生です。
ネットなどを見ていると、自閉症の子が親の気持ちを理解していないと思うと悲しくなる…などの悲観的な考え方もあるのだなと思いますが、私の考えとしては「気持ちは理解している事があるが、その表現が難しい」のかなと思っています。
親の希望なのかもしれませんが、時として見せる心の発露には心打たれる時があります。
今日はそんな時のことを書いてみたいと思います。
親でも人間。時には気持ちが落ち込む時もある
誰でもそうだと思いますが、様々な場面で気持ちが落ち込むことはあるかと思います。
かくいう私も時にはそんな時もあり、妻はまるで気が付いていない様ですが、密かに回復させていることもあります。
親が落ち込むと、子供に伝わる?
ある時、大声でテレビを要求していた長男は私がいつもと違うことを何かから察知したのでしょう、私の手を掴んで「おとうさん、てをつなぐ」と力強く手を握ってくれました。
子供の行動に心打たれる時が親なら一生に何回かあると思いますが、この時の長男もそんなひと時だったのだと思います。
私は眼頭が熱くなり、「ありがとう」と手を繋いでいました。
長男は静かに私の隣に座っておとなしくしていました。
普段は大声で要求を繰り返すばかりで、こんなことはまずありませんが、長男なりに何かを感じ取って行動したのだと思います。
しばらくすると、私が回復したのを感じ取ったのか、おもちゃで静かに遊び始めました。
ついさっきまで騒がしくしていたのに、これも珍しい行動でした。
言葉が伝わらないから、確かめられないがきっと理解している!
長男はうまく言葉が話せません。
二語で話すことが多いですが、発音も不明瞭であり、また同じ言葉でも日によって発音が変わることもあり、意思疎通はごく簡単なものに限られてしまいます。
おそらく、この先もこの時何を感じていたのか、彼の言葉で知ることはないかもしれません。
それでも、この時の長男は私の様子を感じ取り、気遣いをしたのだと信じています。
発信する言葉はできない長男の中にも世界がちゃんとあり、それはとても純粋なままで今も存在しているのだと思います。
今日の秘訣
- 自閉症の子供でもちゃんと他者の気持ちを察する事ができる
- きちんと心が育っていて、ふとした時に見える事がある
- 子供の行動に心打たれる時がある、それは子供からのプレゼント。難しく考えず、素直に受け取ろう