
Digital Guardianship 06
それでも、設計はできる ― 不安と共に整えるという選択
このシリーズでは、
- スマホ一極集中の構造
- 制度の隙間
- 代理と越権の問題
- 共有ログという現実的設計
- 世界の動きとその限界
を順に見てきました。
完璧な制度はまだない。
世界もまた模索の途中にある。
それが、今の現実です。
不安は、なくならない
もしかすると、すぐには
「これで安心です」と言い切れる日は
来ないのかもしれません。
制度は変わる。
デジタルも進む。
重度の知的障害がある子どもにとって、
- 本人の意思の確認
- デジタル管理
- 代理の範囲
は、簡単に整理できる問題ではありません。
だからこそ、不安は消えない。
でも、無力ではない
不安があることと、
何もできないことは違います。
このシリーズで見てきたように、
- 役割を分ける
- 情報を残す
- 透明性をつくる
という設計はできる。
制度の外側に、
もう一枚の安心を重ねることはできる。
今すぐ全部考えなくていい
小さな子どもを育てているときに、
「親亡きあと」まで考えるのは、つらいことです。
今すぐ完璧に整える必要はありません。
本格的に考え始めるのは、
子どもが成人に近づく頃でも遅くない。
進学や就労を考える時期。
生活の形が見えてくる時期。
その頃になると、
- どんな支援が必要か
- どんな居住形態になりそうか
- どの程度の見守りが現実的か
が、少しずつ具体的になります。
その節目で、
役割や記録を整えていけばいい。
今日できることは、小さなこと
今できることは、
- 思いついたことを書き残す
- 誰が何を担うかを一度整理する
- 年に一度、見直す
それだけでも十分です。
準備は一度に完成させるものではなく、
積み重ねていくものだからです。
世界も、日本も、まだ途中
第5回で見たように、
世界でも制度の議論は続いています。
本人尊重の方向に進みながら、
安全とのバランスを模索している。
日本もまた、その途中にいます。
完璧ではない。
でも、止まってもいない。
それでも、設計はできる
未来は、突然やってくるものではありません。
ゆっくり近づいてくる。
その歩幅に合わせて、
少しずつ整えていけばいい。
不安を消そうとしなくていい。
不安と共に、整えていけばいい。
それが、今できる現実的な選択なのだと思います。
本シリーズをここまで読んでくださった方へ。
答えは一つではありません。
でも、
考え続けること自体が、すでに大きな一歩です。
