重度知的障害の親亡き後、スマホやアカウントは誰が管理するのか?【連載①】

デジタル社会
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Digital Guardianship 01

デジタル化が進む社会で、重度知的障害のある若者のスマホやアカウントは誰が管理するのか。
親亡き後を見据え、後見制度の限界とデジタル管理の課題を考えます。

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スマホが大好きな長男くん

我が家の長男くんは、スマホが大好きです。

Youtubeを毎日見ていますし、ちょっとしたゲームを楽しむこともあります。

しかし、長男くんがスマホを支えているのか?と言われれば

ちょっと厳しいと言わざるを得ません。

デジタル社会と重度知的障害の若者

行政のデジタル化は、もう止まりません。

申請はオンラインへ。

通帳はアプリへ。

手帳も、証明も、スマートフォンの中へ。

正直に言えば、便利です。

私自身も、ほとんどの手続きをスマホで済ませています。

でも、あるときふと考えました。

重度の知的障害がある若者にとって、この社会は本当に安全なのだろうか。

スマホに集中していく情報

いま、スマートフォンの中には、

  • 銀行口座
  • マイナポータル
  • 医療情報
  • 各種会員登録
  • 障害者手帳(ミライロIDによるデジタル化)
  • 行政からの通知

が入っています。

とても便利である一方で、

生活に関わるほとんどの情報が一台に集中している

という状態でもあります。

健常者にとっては「管理の効率化」。

でも、自己管理が難しい人にとってはどうでしょうか?

自己管理前提の社会設計

デジタル社会は、基本的に「本人が管理する」前提で設計されています。

  • パスワードを管理する
  • ワンタイム認証を入力する
  • 利用規約に同意する
  • フィッシングを見分ける

これは、判断力と理解力を前提にした仕組みです。

重度の知的障害がある若者には、この前提が成立しません。

では、誰が管理するのでしょうか。

善意の代理と、越えてはいけない線

現実には、

  • 親が操作する
  • きょうだいが管理する
  • 支援者が代わりに手続きする

という形が多いと思います。

それ自体は、必要な支援です。

でも、ここには一つの曖昧さがあります。

それは「正式な代理」なのか、それとも“善意の操作”なのか。

ログイン情報を共有すること。

本人の名義で同意を押すこと。

アカウントを第三者が管理すること。

今は問題が起きていなくても、将来的にトラブルになる可能性は否定できません。

悪意の不正利用だけではありません。

善意が越権になってしまうこともあります。

後見制度は守ってくれるのか?

後見制度は、財産管理や契約の代理を担う仕組みです。

しかし、

デジタルアカウントの継続的な管理

までは、明確に想定されていません。

後見人がいても、

スマホを常時チェックするわけではありません。

マイナポータルには代理人機能がありますが、

手続きごとに限定的で、包括的な管理設計にはなっていません。

つまり、

制度は存在する。

でも、デジタル一極集中社会に完全対応しているとは言い難いのが現状だと言えます。

しかし、リスクを恐れて利便性を排除するのも違うのでは?

ここで一つ、別の不安もあります。

不正利用が怖いからといって、

デジタルから排除してしまうこと。

それは、

  • 割引制度を使えない
  • 情報にアクセスできない
  • 社会参加の機会を失う

という不便さにつながってしまいます。

デジタルは便利です。

社会との接点を増やす力にもなります。

だからこそ、単純に「使わせない」という選択も違うのではないか?という気がします。

親亡き後、誰が管理するのか

親が生きている間は、どうにかできます。

でも、親亡き後は?

  • 後見人が管理するのか
  • 相談支援が関与するのか
  • グループホームの職員が担うのか
  • それとも誰も担わないのか

私自身、明確な答えは見えていません。

だから、考えておきたい

私はこれから子どもを社会に送り出す立場です。

だからこそ、いまのうちに考えています。

この社会は、便利になる。

それは間違いありません。

でも、

便利さと安全は、同じではない。

デジタル化は進む。

自己管理前提の社会も進む。

そのとき、重度知的障害の若者の権利は、どう守られるのか。

このテーマに関して、

後見制度、代理の範囲、デジタル資産という考え方などを整理しながら、

少しずつ考えてみたい思っています。

正解はまだありません。

でも、考えないまま迎える未来にはしたくないと思います。

それが、いまの正直な気持ちです。

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