この記事でわかること
この記事では、
- 障害年金と生活保護を組み合わせた場合のリアルな月額水準
- グループホーム利用時の実際の収支バランス
- 生活保護前提で考えたときの「現実的な貯蓄額」
を、できるだけ具体的な数字で整理しています。
※本記事の試算は、都市部・単身世帯・障害基礎年金2級・障害者加算あり・貯蓄なしというモデルケースを前提にしています。実際の金額は地域や世帯状況、家賃額などにより異なります。
「いくら残せばいいの?」という不安
長男君の親亡き後、生きてゆく良い場所に恵まれたとしても、
恐らく、働くことはかなわないであろう、長男君が
その生活が維持できないようでは。。。と不安になることがあります。
障害年金があるとしても、
いくら貯めておけば安心なんだろう?
「老後2000万円問題」などの言葉を聞くと
なんとなく「何百万円」「何千万円」という言葉が浮かびます。
今回は、「生活保護制度」を調べて、整理してみました。
生活保護とは?
ここで一度、生活保護について確認です。
生活保護は、
「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度
です。
収入や資産が一定以下の場合に、
最低生活費に足りない分を補う仕組みになっています。
ポイントは2つあります。
① 不足分を補う制度
生活保護は「決まった金額をもらう制度」ではありません。
最低生活費 − 収入 = 支給額
という計算です。
障害年金などの収入がある場合は、その分が差し引かれます。
② 条件がある制度
生活保護を受けるには、
- 一定以上の貯蓄がないこと
- 活用できる資産がないこと
などの条件があります。
つまり、
「上乗せ収入」ではなく
「最後のセーフティネット」です。
生活の土台はいくらになるのか?
ここではモデルケースとして
- 都市部
- 単身世帯
- 障害基礎年金2級
- 障害者加算あり
- 貯蓄なし
という前提で考えます。
最低生活費の目安(都市部単身)
- 生活扶助:約78,000円
- 住宅扶助:約53,000円
- 障害者加算:約26,000円
合計
👉 約157,000円
生活保護は、この「最低生活費」に調整される仕組みです。
実際の金額は地域(級地区分)や年齢、家賃額によって異なります。
金額については、必ず地域の福祉事務所にご確認ください。
障害年金との関係
障害基礎年金2級
👉 約72,000円/月
これは「収入」として扱われます。
生活保護は
157,000 − 72,000 = 約85,000円
が支給されます。
最終的な月の生活基盤
障害年金 72,000円 + 生活保護 85,000円
= 約157,000円
つまり、
年金があってもなくても、
最終的には“最低生活費”に近づく設計
になっています。
グループホームの費用
一般的な自己負担は
👉 月5万〜7万円
中央値として 6万円で試算します。
157,000円 − 60,000円
= 約97,000円
この約9万7千円で
- 昼食代(※昼食は別になっている場合が多いです)
- 日用品
- 光熱費(※ホームによる)
- 携帯代
- 交通費
- 娯楽費
- 医療費(保護適用なら原則自己負担なし)
をまかなう計算です。
ここから見えること
思っていたよりも、
「大幅な赤字」ではありません。
もちろん余裕があるわけではありませんが、
制度を前提にすると、
生活は一定水準に保たれる
というのが現実です。
では、貯蓄はいくら必要?
ここが本題です。
生活保護前提で考えるなら、
何千万円も残す設計にはなりません。
なぜなら、生活保護には
「資産を活用してから」という原則
があるからです。
多額の預貯金や投資資産がある場合は、
生活保護の対象にならない可能性があります。
だから設計が変わる
生活保護前提なら、必要なのは
✔ 親の死亡直後の生活立ち上げ資金
✔ 家具・家電などの初期費用
✔ 手続きが落ち着くまでの生活費
✔ 突発的な支出への備え
この“移行期のクッション”です。
現実的には、
👉 100万〜300万円程度
がひとつの目安になると思います。
もうひとつ大事な前提
ここまでの試算は、
- 単身世帯
- 都市部
- 家賃が基準内
- 障害2級
- 貯蓄なし
という条件です。
✔ 地方では住宅扶助が低くなる
✔ 世帯人数が増えれば金額は変わる
✔ 等級によって障害者加算は異なる
生活保護は全国一律ではありません。
「制度前提」と「自立前提」は別の話
ここが一番大事な部分だと思います。
制度前提型
・生活保護を活用
・最低生活費を基盤に設計
・必要資金は数百万円規模
自立前提型(保護を使わない)
・年金+資産収入で生活
・数百万円〜数千万円規模の準備が必要
どちらが正しいということはありません。
ご家庭の収入状況などを踏まえ、無理のない備えをすることが大切だと思います。
今日の整理
- 障害年金+生活保護で約15万〜16万円が基盤(都市部単身モデル)
- グループホーム費用は月約6万円が一般的水準
- 制度前提なら大幅な不足は出にくい
- 必要なのは“移行期の資金”が中心
- 貯蓄が多いと生活保護対象外になる可能性がある
将来のことを考えると不安になります。
でも、制度を前提に数字を出してみると、
「全部を自分で背負う」話ではない
ということが見えてきます。
完璧でなくていい。
制度も知り、条件も知り、その上で家庭ごとに設計する。
それがいちばん現実的だと感じています。
※本記事は 2026年1月時点の制度・基準額をもとに作成しています。
生活保護基準や障害年金額は改定される可能性があるため、最新情報は自治体や公的機関の資料をご確認ください。
