この記事は、情報ではなくポエム。
でも私にとっては重要な事だったのでここに書いておくことにする。
2021年3月18日 長男は小学部を卒業した。
「卒業」といえば、「おめでとう」の言葉を誰もが言ってくれる。
私も嬉しいと思うのだが、障害を持っている子供の行く末を考えると、気持ちは複雑だ。
調べれば調べるほど、学校を卒業した後の長男の人生には不安を感じる点が多い。
それがまた一年近づいてしまったという感覚も少なくない。
さらにまた一区切りを超えてしまった...というのが正直言った気持ちだ。
そんな複雑な気持ちは関係なく、卒業式の日はやってきた。
その日、車で一緒に学校に向かって行く中、いつもははしゃいで元気な長男は車の中でも黙って外を見ていた。
長男なりに特別な日だという事を意識しているのだろう。
たくさんの練習を重ね、いつもと違う雰囲気の中、大きなプレッシャーを感じていたのだと思う。
学校の中は卒業式の飾り付けがなされ、在校生や先生方が一生懸命に送り出してくれようとしてくれているのが伝わってきた。
いつもと違う雰囲気。
いつもと違うおめかしをしたクラスメート。
皆が緊張の表情を浮かべていた。
卒業式は、小学部・中学部の合同で執り行われた。
小学部の知的障害から始まり、肢体部、中学部と進む。
小学部の長男は3番めに呼ばれた。
小さな声で「はい」と返事をし、ゆっくりとだが階段を登ってお辞儀をし、校長先生から卒業証書を受け取る姿を見たとき、それまであったいろいろな複雑な気持ちは脇に追いやられ、「がんばったな」と「おめでとう」と心の中で言っていた。
メガネ・マスクで顔を隠している中、やはりこれまでのことが思い出され、我が子のがんばりに心を打たれて涙が出てきた。
この先、いろいろあるだろうが、今日は素直に喜ぼう。
周りの親御さんも、皆同じような気持ちだったのだろうと思う。
中には、長い待ち時間にがまんできずに大きな声を出してしまう子もいたが、その子もまたがんばってそこまで我慢していたのだ。
式が終わった後の親子参加の「最後の授業」で、暴れてしまう子も居た。
これまでずっと抑えてきた緊張感が開放されてなお、家に帰れないことに憤りを感じていたのだ。
普通の学校の卒業式とはもちろん違う。
小学部から中学部に上がっても、同じ建物の別の教室に過ぎないということもあるだろう。
それでも、やはり親にとって大切なセレモニーだったのだなと思う。
また、このコロナ騒ぎの状況で式を執り行っていただいた学校・先生方には感謝しかない。
そして、頑張った我が子、クラスメイト、一緒に卒業式をあげた中学部のお兄さん・お姉さんへ月並みだが
おめでとう!
と改めて伝えたい。