我が家の長男は重度の知的障害と自閉スペクトラム症を抱えており、現在特別支援校に通う小学校6年生です。
そんな長男が歯医者さんにかかるのはけっこう大変でした。(現在進行系です。)
この記事では、長男が歯医者さんの診察台で座れるようになるまでの事を書いてみます。
知的障害者の歯科は大変!と聞いた
発端は、臨床心理士の先生に定期検診で聞いたお話でした。
知的障害者の歯科治療は非常に大変であり、全身麻酔を使うことも珍しくないとの事でした。
また、設備などが十分に整っていない病院では対処できず、専用施設の整った大きな病院に行くことになるということでした。
ここで言う「大きな病院」とは障害者を受け入れてくれる設備と人員がいる病院になります。
こういった病院は利用する方も多いためなかなか予約が取れず、歯痛で悩んでいる長男にそれほど長く我慢をさせてしまうのはとても不憫であると感じたものです。
この話を聞いた時はまだ長男は特別支援級に通う小学校2年生になったばかりの時期でした。
その頃はインフルエンザワクチンや耳鼻科などで押さえることはありましたが、まだまだ小さいのでなんとか押さえながら接種・受診することはできていました。
しかし、私や妻に似て体が大きい長男は、成長すれば恐らく私を超える身長になると想像されます。
そして、私の体力は年々低下していく事になります。
その時、歯医者の治療で押さえられるものか?…いや、無理だろうと思いました。
近隣の歯医者に検診へ
幸いにして、妻がママ友情報で知的障害者を受け入れてくれる歯医者さんが近隣にあるという話を教えていただいたので、早速予約して行ってみることにしました。
そして、緊張の中まずは検診。
最初、慣れない場所で慣れない雰囲気に恐怖した長男はものすごく抵抗しました。
なんとか、押さえてチェックすることができました。
無事、虫歯なし!歯もきれいですということでした。
おとなになっていくまでに
歯医者さんのお話では、
- 知的障害者の治療は困難である場合が多く、全身麻酔はリスクも高いのでとにかく虫歯にならないことが大事
- 定期的な検診が有効ではあるが、万一のために器具を口に入れる練習を定期的に行う事も重要
との事でした。
いずれも納得できる内容だったのと、先生や看護師さんの慣れた対応に安心感があったので、この病院に通うことに決めました。
先行きが見えないと不安にある特性がある長男でしたので、行動予定表には「歯医者さん」のカードを作って先行きが解るようにしました。
そして、2年経過
当時、書いていたEvernoteに臨床心理士さんに相談した際のメモがありました。
どんな感じだったかといえば…
・歯医者に行ったが椅子に座るのも嫌がり泣く。
先生と相談して可能だったら、椅子に座ったらる終わりという日を作ったらどうか?
10数えている間・音楽が鳴っている間など、いつまで座っていればいいか見通しを持たせる。
椅子に座る→押さえて歯磨き だと座るのも嫌になる。
明日のことなど先のことが分かるようになったので、先の不安なことも理解するようになった。
上記のようにまだ歯医者には対応できていませんでした。
という事で、以下の施策を追加してみた。
- とりあえず、椅子に座る事だけをやらせる日を作ってみた
- 数を数えていくつ数えたら終わり…という日を作る
そして、4年後の現在
長男は幸いにして乳歯がなかなか生え変わらないために前歯の並びが非常に悪くなってしまっていますが、それ以外には虫歯に一度もかかることなく今に至っています。
毎日、妻が長男と戦争しながら歯磨きを継続してくれている賜物です。👏
そして、こちらの歯医者さんには現在でも3ヶ月に1度程度器具に慣らす練習を兼ねて診てもらっています。
今では、調子が良ければ大人しく診察台に座り、電動歯ブラシで歯を磨かせてくれているようです。
※最近、一緒に診察室に入れず、次男と外で待機が続いています…
これから、治療の器具を使った時に対応できるかはまだ未知数ですが、一生虫歯にならない人は多くないと思われますので、今後も継続して行きたいと思っています。
今日の秘訣
- 歯医者さんの受売りですが、定期的に検診は重要!
- いつまでも小さいままで居ると思わないで、徐々に慣れていきましょう
長男が未だに虫歯一つ無いのは、妻の努力とこの歯磨きのおかげだと思っています。
最初は歯医者さんで買っていたのですが、ちょっと高かったので同じ商品をネットで購入して使っています。
(歯医者さん、ゴメンナサイ)
フッ素効果で虫歯予防になってくれていると信じています。
長男はぶどう味を好みますが、お好みに合わせていろいろな味があります。