以前の記事で、療育手帳は発行するべき!という記事を書きました。
ここでは、もう少し具体的な話を書いていきたいと思います。
療育手帳を発行してもらうと、子供が障害者として認定されるため、いくつかの支援が得られます。
本記事では、所得税に関しての内容を記載していきます。
所得税
ここでは、所得税について記載していますが、所得税以外に住民税への支援もあります。
内容は自治体ごとに制度を設けていますので、個別に自治体のホームページ等でご確認ください。
所得控除
注意が必要なのは、この金額は直接税金で戻ってくる金額ではないという点です。
世間的には多くの人がこの金額が直接還付されるという風に勘違いしている事が多く、「障害者がいると、お得だよね~」なんて心無い(言っている本人はきっと悪気ないのでしょうが。)言葉に出会うこともあるかもしれません。
そんなときにはきちんと説明してあげましょう。
障害の重度(呼び方も地域によって異なります) | 所得税の控除区分 | 所得控除額 |
---|---|---|
特A、A | 特別障害者 | 40万円 |
特A、A かつ、同居している | 同居特別障害者 | 40万円+35万円=75万円 |
B、C等上記以外 | 普通障害者 | 27万円 |
控除額を見ると、マジ?ってなると思います。
私も最初驚きました。
が、これは「所得控除」なので、実際にこの金額が税金からまるまる減らしてもらえるわけではありません。
やや乱暴な計算になりますが、所得税を控除ありとなしで比較してみましょう。
条件として
- 所得500万円
- 控除は同居特別障害者あり
としてみます。
所得控除なしの場合
例えば、所得額(年収とは違い、収入から諸々の控除を行ったあとに残る税金を課税する金額)が500万円あった人の場合、所得税率は20%となりますので、
500(万円) ✕ 20% = 100(万円)
となります。
これが、障害者のいない家庭での所得税金額となります。
実際にはこの後に税控除などがあり、最終的な納税額はこの金額とは異なりますが、説明のため敢えてここでは省いております。
所得控除ありの場合
次に、所得控除ありの所得税額を計算してみます。
上記特別障害者が同居している場合は、75万円の控除となりますので、
税金を課税する所得額は
500(万円) - 75(万円)=425(万円)
が所得ということになります。
その後、20%の税率で課税されますので、
425(万円) ✕ 20% = 85(万円)
税額としては85万円ということになり、差額としては
100(万円※元の税額) ー 85(万円※所得控除後の税額) = 15(万円)
税金の減額としてはだいたい15万円位ということになります。
※他の区分の方も、所得控除額に税率を掛ければ計算できるかと思います。
いかがでしょうか?
重度の障害者と生活を共にしている家庭への配慮として高いと思うか、安いと思うかはそれぞれだと思いますが。
高所得者の方が所得税への影響が大きい
なお、日本の税制では税率は高所得者になればより高い税率で課税される仕組みになっており、1,800万円の所得のある方になると40%課税となります。
その場合、上記の同居特別障害者を扶養されている場合には差額は30万円ということになります。
意外と誤解されている
もし、障害者家庭は優遇がすごい!みたいな誤解があれば、上記をご説明することで正しく理解できるかと思います。
結構多くの方がこの所得控除額を誤解されている事が多いかなと思います。
なお、所得500万円は家族構成などにより異なりますが、給与の年収でだいたい700万円くらいの人がこのくらいになります。
より低所得の場合には、税率が少なくなっていくので効果はより小さいものになっていきます。
手続き
給与所得者なら、事業所で毎年行っている「年末調整」の際に上記を記載する箇所がありますので、そちらに証明書類と共に提出すれば税金の計算の際に考慮されるはずです。
自営業者の場合には、確定申告の際に記載して計算してもらえばOKです。
今日の秘訣!
- 「所得控除」と「税控除」は違う。療育手帳で得られる控除は「所得控除」
- 「所得控除」は税金を掛けるお金(≒収入)が「減ったこと」にする控除
- 「税控除」は、計算後の税金を直接減らす控除
- もし、「税金たくさん戻ってきていいわね」なんて話になったら、この説明をしてあげよう!
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